2019年12月22日
プログラミング
ペースの計算を行う【Reactで作るマラソンペースメーカー】
はじめに
新しい技術にチャレンジし続けるpalanのアドベントカレンダーDay22です!
昨日は『サーバーレス時代のデータベース FaunaDB で GraphQL を試してみた』についての記事でした。
このシリーズでは、Reactを使用しマラソンペース計算システムを作っています。
前回はReact Hooksを使う、という記事でReactの新機能であるhookを使用し、関数型コンポーネントの解説をしていきました。
今回は、シリーズの続きとしてReactのhookも使いながら、実際にマラソンのペースを計算する機能を作っていきます。
ヘッダーをつけてみる
まず、今回作っていく完成形のUIはこちらです。
距離とタイム(時間・分)を設定することで、1kmあたりのペースが表示されるシステムです。
またせっかくMaterial-UIを使っているので、ヘッダーについてもMaterial-UIのコンポーネントを使っていきましょう。
Material-UIの公式サイトから、こちらのApp Barコンポーネントを見てみましょう。
こちらのSimple App Barが良さそうですね!
App.jsに(次回以降でコンポーネントをちゃんとファイル分けしていきます)、このようにインポートしていきます。
import AppBar from '@material-ui/core/AppBar';
import Toolbar from '@material-ui/core/Toolbar';
import Typography from '@material-ui/core/Typography';
import IconButton from '@material-ui/core/IconButton';
その後はこのようにUIを作っていきます。
<AppBar position="static">
<Toolbar>
<IconButton edge="start" className={classes.menuButton} color="inherit" aria-label="menu">
<MenuIcon />
</IconButton>
<Typography variant="h5" className={classes.title}>
Marathon Pace Maker
</Typography>
</Toolbar>
</AppBar>
入力フォームを作る
さて、次は入力フォームを作っていきます。
どれくらいの距離を走るのか、どれくらいの時間で走りたいのか(時間と分) を元に、実際に1kmあたり何分何秒で走ればよいのかを計算し出力していきます。
まず、どれくらいの距離を走るのか、については主要なフルマラソン(42.195km)、ハーフマラソン(21.0975km)、10km、5kmの4つから選択するようにしてみます。
選択式のフォームですが、TextField
コンポーネントを使用していきます。
また実際に選択する選択肢部分はMenuItem
を使用していきます。
import TextField from '@material-ui/core/TextField';
import MenuItem from '@material-ui/core/MenuItem';
````
そして選択肢部分のラベルと値を配列に格納していきます。
```jsx
const distances = [
{
value: 42.195,
label: 'フルマラソン(42.195km)',
},
{
value: 30,
label: '30km',
},
{
value: 21.0975,
label: 'ハーフマラソン(21.0975km)',
},
{
value: 10,
label: '10km',
},
{
value: 5,
label: '5km',
},
];
次にstateの初期値を設定していきます。
後々に目標時間なども設定するのでvaluesに格納していきます。
const [values] = React.useState({
distance: 42.195,
});
次に選択肢が選択された際に、値をvaluesに設定する関数を書いていきます。
値を数値型として設定する為に、Numberで数値型にします。
const handleChange = prop => event => {
values[prop] = Number(event.target.value);
});
};
そして肝心のフォーム部分のコードです。
<TextField
id="distance"
select
label="距離"
className={classes.textField}
onChange={handleChange('distance')}
value={values.distance}
SelectProps={{
MenuProps: {
className: classes.menu,
},
}}
helperText="走るレースの距離を選択してください"
margin="normal"
>
{distances.map(option => (
<MenuItem key={option.value} value={option.value}>
{option.label}
</MenuItem>
))}
</TextField>
主要なところを解説します。
select
こちらがあることで、選択型のSelect APIを使用することができます。
こちらで先程のhandleChangeを呼び出しています。
valuesのキーであるdistanceを引数にしています。
onChange={handleChange('distance')}
こちらはTextFieldの値となります。
value={values.distance}
こちらで選択肢部分のメニューに対し、Propsを設定することができます。
SelectProps={{
MenuProps: {
className: classes.menu,
},
次に、入れ子の形で選択肢部分の値を設定していきます。
{distances.map(option => (
<MenuItem key={option.value} value={option.value}>
{option.label}
</MenuItem>
))}
配列distancesにvalueとlabelを設定しましたが、そちらを使用して選択肢を作っています。
mapで展開し、MenuItemのkey、valueに設定し、また表示上のラベルも設定しています。
これで距離の選択フォームができました。
次に目標時間、分のフォームを作っていきます。
<TextField
id="standard-number"
label="目標タイム(時間)"
type="number"
className={classes.numberField}
onChange={handleChange('hour')}
value={values.hour}
InputLabelProps={{
shrink: true,
}}
InputProps={{
inputProps: { min: 0, max: 10 },
endAdornment: <InputAdornment position="end">h</InputAdornment>,
}}
margin="normal"
/>
<TextField
id="standard-number"
label="目標タイム(分)"
type="number"
className={classes.numberField}
value={values.minute}
onChange={handleChange('minute')}
InputLabelProps={{
shrink: true,
}}
InputProps={{
inputProps: { min: 0, max: 59 },
endAdornment: <InputAdornment position="end">m</InputAdornment>,
}}
margin="normal"
/>
先程のフォームと異なる点は、select型でないくらいで、あとはほぼ一緒です。
InputProps
というPropsを使うことで、入力に関するPropsを設定できます。
最小、最大値の設定はInputProps
の更にその中に値を設定する必要があるので注意です。
また、この最後にhやmといった単位のUIを作る為にInputAdornment
コンポーネントを使用しています。
ペース計算処理を作る
次に、ペースの計算処理を作っていきます。
hookのuseStateを使用し、paceMinuteとpaceSecondの初期値を設定しています。
const [paces, setPaces] = React.useState({
paceMinute: 5,
paceSecond: 41,
});
次に先程フォームの入力時につくった、handleChange関数に計算処理を入れていきます。
フォームの値を入力したら、ペース部分にペースが表示される仕様を実現する為のものです。
const handleChange = prop => event => {
values[prop] = Number(event.target.value);
// 分数を計算
const minute = (values.hour * 60) + values.minute;
// 分数を距離で割り、1キロあたりの分数を計算
const paceMinute = (minute) / values.distance;
// 分数の少数以下に60をかけ秒数を計算
const paceSecond = (paceMinute - Math.floor(paceMinute)) * 60
setPaces({
...paces,
paceMinute: Math.floor(paceMinute),
paceSecond: Math.floor(paceSecond),
});
};
コメントに書いたように、まずvaluesのminiteとhourから全体の分数を計算し、そこを距離であるdistanceで割ることで目標のペースが計算できます。
あとは小数点以下を丸めたり処理し、setPacesでpaceMinuteとpaceSecondのstateに値を設定していきます。
最後にUI部分のコードです。
<p>
目標をクリアする為には、1kmあたり <strong>
{paces.paceMinute}分{paces.paceSecond}秒</strong>
で走る必要があります。
</p>
これで先程のpaceMinuteとpaceSecondに設定されたら、正しくもく目標の値が計算されて表示されていきますね!
こんな形で、それぞれの値を変更しても連動しって正しく目標ペースが表示されるようになりました!
まとめ
前回のReact Hooksを実際に使いながら、今回は計算処理を作っていきました。
まだコンポーネント分割できていなかったり、また動的にペースを変更したい(〜キロまではこれくらいのペース、そこから先はこれくらいのペースといった具合)など、まだ改善していく必要があります。
次回以降に対応していきますので、お楽しみに!
ソースコードや実際の公開されているURLはこちらです。
https://github.com/palan-inc/marathon-pace-maker
https://palan-inc.github.io/marathon-pace-maker/
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