2018年12月9日
デザイン
【CSS】3D transformsでコロッとなるエフェクトを作る
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目次
はじめに
新しい技術にチャレンジし続けるeishisのアドベントカレンダーDay9です!
昨日はReact 360の環境構築についての記事でした。
今日は、CSS 3D transformsでナビがコロッとなるエフェクトを作っていきます。
今回作成していくもの
まずは、今回作成していくデモをご紹介します。
今回作成していくデモはこちらです。
(ホバーしてください)
See the Pen Rotate cube by Ayaka Sasaki (@ayausaspirit) on CodePen.
こちらの赤い長方形にホバーするとコロッと長方形が傾き、上の面が見えるというシンプルなものです。
実際にどういうところに使えるか実例を見てみましょう。
下記サイトののナビ部分をご覧ください。
こちらはchannel news asiaというシンガポールの中でもかなり有名なメディアなのですが、ちょっとした工夫でうまくスペースを使っていますね。
下にスクロールすると、記事のタイトルが、上にスクロールするとGナビがコロッと出てくる仕様になっています。
実際に動きをみたい方はこちらからどうぞ。
channel news asia
記事ページでしかコロッという動きは見えないので、記事の中に飛んでください。
HTML解説
では、中身のソースコードを見て行きましょう。
まず、今回の全体のHTMLはこのようになっています。
<div class="scene">
<div class="cube">
<div class="cube__face cube__face--front"></div>
<div class="cube__face cube__face--top"></div>
</div>
</div>
そこまで複雑なHTMLではないのですが、ポイントとしては、実際に見えている、赤と紫のコロッとなる面以外にもそれを取りかこむ div
が二つあることです。
こちらの2つは後ほどCSSを見るときに大事なポイントになってくるところです。
CSSで3Dのものを作るときには、HTML上では実際に3D空間となるところを定義するマークアップがあると便利になることを抑えておいてください。
HTMLの解説は以上です。
CSS解説
次にCSSを見ていきます。
CSSの全体像:
/*CSS空間を作る部分*/
.scene {
perspective: 400px;
}
/*立方体の設定*/
.cube {
width: 1000px;
height: 50px;
position: relative;
transform-style: preserve-3d;
transition: transform 0.3s ease-in-out;
}
/*面の設定*/
.cube__face {
position: absolute;
width: 1000px;
height: 50px;
}
.cube__face--front { transform: translateZ(25px); }
.cube__face--top { transform: rotateX( 90deg) translateZ(25px); }
/*ホバーした時の動き*/
.cube:hover { transform: translateZ(-25px) rotateX( -90deg); }
少し長いので、噛み砕いてみていきます。
こちらのCSSは大きく4つの部分に分けられます。
– CSS空間を作る部分
– 立方体の設定
– 面の設定
– ホバーした時の動き
では、それぞれの部分を見ていきます。
CSS空間を作る部分
まずは、CSS空間を作ります。
.scene {
perspective: 400px;
}
シンプルなコードです。
先ほどHTMLの部分で少し触れたように、CSSで3D空間を作る場合、全体を div
で囲み、 perspective
プロパティをかけると効果的です。
(厳密にいうと、これは必須ではないのですが、同じコードを何度も書かないといけなくなったり、複数の3Dオブジェクトを作ったときに空間イメージがおかしくなったりするので、基本CSSで3Dのものを作るときには、3D空間にしたいもの全体に perspective
をかけるのがオススメです。)
ちなみに、このperspectiveがないとこのようになります。
See the Pen Rotate cube by Ayaka Sasaki (@ayausaspirit) on CodePen.
一見あまり変わっていないように見えますが、端の方を見ると、3D感が薄れているのがわかります。
下記が perspective: 400px;
を加えた場合:
See the Pen Rotate cube by Ayaka Sasaki (@ayausaspirit) on CodePen.
この perspective
というプロパティは3D空間を設定しますよ!というものだと思ってください。
数値が高いほど、効果は薄れます!
POINT!!
「perspective」の値は数値が高いほど、効果は薄れます。少しイメージしづらいのですが、近くにあるものほど立体的に、遠いものにあるものほど平面的に見えるので、数値が高いほど、3Dのエフェクトは薄れる、と考えてください。
立方体の設定
次に立方体の設定を見ていきます。
.cube {
width: 1000px;
height: 50px;
position: relative;
transform-style: preserve-3d;
transition: transform 0.3s ease-in-out;
}
高さ、幅、そしてこの後立方体の中に入れる面を設定しやすくするため、 position: relative;
をかけておきます。
(こうすることで、面に position: absolute;
をかけた際に立方体ベースで配置できるので作りやすいです。)
また、ホバーはこちらにかけていくので、 transition
を加えておきます。
少し気になるのが、 transform-style: preserve-3d;
という記述です。
こちらは、親の3D空間を子要素にも引き継ぐための、プロパティです。
こちらがないと、子要素に親の3D空間が引き継がれず、平面的な動きになってしまいます。
transform-style: preserve-3d;
がない場合:
See the Pen Rotate cube by Ayaka Sasaki (@ayausaspirit) on CodePen.
こんな感じで周りの立方体自体は3D空間にいるのに、子要素は平面的な世界に閉じ込められたままになるので、気をつけてください。
面の設定
次に実際に見える、面の部分を見ていきます。
.cube__face {
position: absolute;
width: 1000px;
height: 50px;
}
.cube__face--front { transform: translateZ(25px); }
.cube__face--top { transform: rotateX( 90deg) translateZ(25px); }
今回は、必要なコードを見やすくするため、色をつけるCSSなど必要のない部分は省いています。
今回の立方体のそれぞれの面に当てるCSSは、すべての面に当てるCSS、上の面、前の面に当てるCSSに分けられています。
まず、すべての面に共通して当てるCSSには、親要素である立方体にrelativeに配置できるよう、 position: absolute;
と高さと幅を設定しています。
次にそれぞれの面に当てるスタイルですが、まずはホバーする前に、見える立方体の前面のスタイルを見ていきます。
.cube__face--front { transform: translateZ(25px); }
前面にスタイルを当てる必要ないんじゃない?と一瞬思われるかもしれませんが、これを消した時にどうなるかというと…
See the Pen Rotate cube by Ayaka Sasaki (@ayausaspirit) on CodePen.
こんな感じで、立方体ではなくT字型になってしまいます。
前面はもう少し手前に持ってきたいので、transform
プロパティで translateZ
をします。
また、今回の立方体は幅1000px, 高さ50pxなので、高さの半分 (25px)手前にします。
ここまでできたら、あとは簡単です。
先ほどの前面のスタイルを90度X軸に回転させるだけで上面を作ることができます!
.cube__face--top { transform: rotateX( 90deg) translateZ(25px); }
ホバーした時の動き
これで必要な材料は揃ったので、最後にホバーした時に動きを加えていきましょう。
.cube:hover { transform: translateZ(-25px) rotateX( -90deg); }
ホバーの動きはそれぞれの面ではなく、 .cube
の方にかけるとシンプルで楽です。
rotateX(-90deg)
で手前に回転させます。
ただ、これだけだと、立方体が手前に回転してくるような動きになってしまいます。
See the Pen Rotate cube by Ayaka Sasaki (@ayausaspirit) on CodePen.
なので、それを抑えるために、translateZ(-25px)
を加え、元の位置でコロッとするように調整してあげましょう!
まとめ
以上、今日はCSS 3D transformsでナビがコロッとなるエフェクトを作っていきます。
CSSで作る3Dオブジェクトは普通の平面のCSSと比べて、それぞれのプロパティの依存関係が多いため、少し手を出しにくいですが、きちんと要素を噛み砕いて理解すると、サイトにちょっとした工夫を加えることができ、とても便利なのでぜひ試してみてください。
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サーバーサイドエンジニア Ruby on Railsを使った開発を行なっています
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sugimoto
asama
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oshimo
異業界からやってきたデザイナー。 palanARのUIをメインに担当してます。 これからたくさん吸収していきます!