2018年2月28日
マーケティング
Netflixに学ぶデータドリブンな最適化施策
ご存知のように、今や世界中の企業でデータを活用したグロース施策が行われています。
スタートアップが増えているドイツベルリンでも「データ分析」「A/Bテスト」「機械学習」などをテーマにしたミートアップは多数開催され、他のテーマに比べ参加者が多く賑わっています。
そこで今回は、データドリブンな施策で急成長をとげ、世界190カ国以上、1億9千万人以上のメンバーがいる「Netflix」に注目し、どのようにデータを活用しているのかを取り上げてみたいと思います。
1.”視聴される”と予測されたコンテンツの提供
Netflixには毎日のように新しいコンテンツが追加されています。
例えば2018年2月の1ヶ月間では、なんと約80もの作品が追加され、またオリジナルの作品も多く追加されています。
実はそのオリジナル作品は、一定数視聴されると予測された上で制作されているそうです。
例えば、オリジナル作品の中でもヒット作の「Orange is the New Black」
人気作品の続きやリメイク版でもなく有名な俳優を起用したわけでもありません。
データに基づいて分類された複数のユーザーコミュニティ(属性)に好まれる傾向にある要素を作品に込めたと言われています。
ヒットには、データの根拠が裏付けされているのです。
2.コンテンツのレコメンド精度
面白いコンテンツを揃えることは、莫大な量の動画コンテンツがある今では大前提になっているかもしれません。
それをどのようにユーザーに届けるか、という点でNetflixは優れています。
膨大な量のデータを分析するアルゴリズムを駆使し、レコメンド機能の精度をあげることに注力しています。
例えばNetflixにログインすると、「視聴した作品」や「マイリストに追加した作品」に関連した動画がレコメンドとして表示されます。
また、「マッチ度98%」などマッチ度が各作品に表示され、どの程度自分が好みそうか、度合いが表示されます。
実際に、Netflixを使うとファーストビューまたは1スクロール内には必ず気になる作品が見つかり、見たい作品を迷ったらマッチ度を参考にするといったように、作品を探す手間と時間が少なく次々にコンテンツを見たくなってきます。
このようにレコメンドするためのデータとしては「作品データ」と「ユーザー行動データ」が紐付けられています。
「作品データ」に関しては監督やジャンルなど作品の基礎情報のほか、1つのジャンルをレベル分けするなど、精度の高いレコメンドになるように多くのパターンを持っています。
「ユーザーの行動データ」に関しては、居住国、デバイス、検索履歴、視聴作品から、いつ視聴し、どこで一時停止したかなど非常に粒度の細かい行動データを取得しています。
またユーザーのデータにおいては、居住国に縛られず、グローバルな視点でコミュニティを捉えることで精度向上へ繋げていると言います。
例えば、「食育や食品産業に関心を示す健康志向の高いコミュニティ」からグローバルで高い評価を得た作品があります。
国別に見ると少数になりレコメンドの質が低下しますが、グローバルなデータを活用することでより精度の高いレコメンドができているそうです。
参考:レコメンド機能に対するグローバルなアプローチ(Netflix)
3.作品アイキャッチ画像やタイトルの最適化
Netflixは、より良いアイキャッチ画像やタイトルの見せ方が、ユーザーがより早く楽しめる作品を発見できエンゲージメントを高めると言っています。
そこで、1つの作品に対して複数パターンのアイキャッチ画像でABテストを行い、どのアイキャッチ画像が最もコンバージョンが高いかを判定しています。
面白いのは、国によってどのようなアイキャッチ画像が好まれるかが分かれるそうです。
こちらは「アンブレイカブル キミーシュミット」という作品のパターンのアイキャッチ画像です。
(右下のアイキャッチ画像が勝ち)
ちなみに膨大な量のデータを支えている、気になるNetflixのABテストのインフラ構造はこのようになっています。
参考:Netflix Experimentation Platform – Jason Reid, Senior Data Engineer(Youtube)
いかがでしたでしょうか。
今回はNetflixがデータドリブンで取り組む施策を3つご紹介いたしました。
個人への最適化が生活者へのアプローチとして重要とされる中で、データを活用することは不可欠になっています。
これからデータ活用を考えている場合はまずはこのような事例を参考にしイメージしてみることをおすすめします。
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