2021年10月29日
clambyを利用したウイルススキャン


目次
はじめに
Railsでアップロードファイルに対してウイルススキャンを行う方法をご紹介したいと思います。
今回はgem clambyを利用して、ファイルアップロード後に非同期処理でウイルススキャンを実行。
ウイルスが検出された場合はダミーファイルを差し替えるという流れです。
今回使用する環境
- Ruby: 2.7.4
 - Ruby on Rails: 6.1.4
 - clamby: 1.6.6
 
clamavの導入
clamav のインストール
gem clambyはclamavに依存しているため、まずは clamav をインストールします。
mac OS(homebrew利用)の場合
$ brew install clamav
Dockerを利用している場合
Dockerfile
RUN apt-get -y install clamav clamav-daemon && freshclam
gem clambyの導入
gem clamby のインストール
Gemfile
gem 'clamby'
$ bundle install を実行
ウイルススキャンの処理を追加
アップローダーをマウントしているモデルにafter_saveを追加
user_image.rb
class UserImage < ApplicationRecord
  attr_accessor :skip_scan_viruses
  after_save -> { scan_viruses(:image) }, unless: :skip_scan_viruses
  ...
  mount_uploader :image, ImageUploader
  private
  def scan_viruses(attribute)
    ScanVirusesJob.perform_later(self, attribute)
  end
end
ウイルススキャンをスキップすることを可能にするためattr_accessorにskip_scan_virusesを追加
ウイルススキャンのジョブを作成
syoryukenを利用していますが非同期処理の方法についてはスキップします。
ウイルススキャンを行い、検出された場合はダミーファイルと差し替えの上メールを送信します。
scan_viruses._job.rb
class ScanVirusesJob < ApplicationJob
  def perform(record, attribute)
    return if record.send(attribute).blank? || Rails.env.test?
    return if Clamby.safe?(file_path(record, attribute))
    record.send("#{attribute}=", File.open('app/assets/images/common/no_image.png'))
    # 差し替え済みファイルなのでウイルススキャンはスキップ
    record.skip_scan_viruses = true
    record.save!(validate: false)
    Admin::ScanVirusesMailer.virus_detected_email(record).deliver_now
    if Rails.env.production?
      SlackAlertNotification.call(title: "#{notify_env}: ウイルスを検出しました", text: slack_text(record))
    end
  end
  private
  def file_path(record, attribute)
    # ファイルのpathを渡さなければいけないのでs3に保存しているproductionとそれ以外では分岐
    if Rails.env.production?
      # s3のファイルが上手く開ける状態かの確認
      # carrierwaveの挙動の問題か、s3側の準備ができておらずnot foundとなってしまうことがあった
      # sleep 2を噛ませたら上手く動いたので、200を確認してからウイルススキャンするよう修正
      5.times do
        response = Net::HTTP.get_response(URI.parse(record.send(attribute).url))
        break if response.code == '200'
        sleep 1
      end
      # URI.open(record.send(attribute).url).pathをそのままpathとして渡していた
      # が、疑似ウイルスファイルでundefined method `path' for #発生
      # 原因は10kb以下のファイルは Tempfile ではなく StringIOを返すRubyの仕様
      # なので、強制的にTempfileを作成する
      temp_file = Tempfile.new('file_')
      temp_file.binmode
      URI.open(record.send(attribute).url) { |file| temp_file.write(file.read) }
      temp_file.rewind
      temp_file.path
    else
      record.send(attribute).path
    end
  end
end
 
Point!
- ウイルスを検出してファイル差し替え後はウイルススキャンをスキップ
 - S3のファイルが開ける状態かの確認
 - 強制的にTempfileを作成する
 
挙動確認
擬似ウイルスファイルでの挙動確認
EICARのサイトで実害のないテスト用の擬似ウイルスファイルをダウンロードできます。
ダウンロードしたファイルをアップロードしてファイルが差し替えられることを確認します。
beanstalkへのclamavの導入
ebextensionsを利用してbeanstalkにclamavをインストール
今回はAWSのbeanstalkというサービスを利用しているためebextentionsディレクトリを利用してclamavのインストールと定義ファイルの更新を行います。
.ebextensions/01_settings.config
  03_install_clamav:
    command: "sudo amazon-linux-extras install -y epel && sudo yum install -y clamav clamav-update clamd"
  04_freshcram:
    command: "sudo freshclam" # ウイルス定義ファイルの更新
ウイルス定義ファイルの更新
cronを利用して定義ファイルの更新を更新を定時実行する
gem wheneverを利用しているためschedule.rbに追記します。
config/schedule.rb
every 1.day, at: '0:30 am' do
  command "sudo freshclam"
end
まとめ
gem clamavを利用したウイルススキャンの実装をご紹介しました。
あまりウイルススキャンに関する記事は多くないので実装に少し苦労しましたが、こちらの記事が何かの助けになれば幸いです!
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