2018年4月16日
プログラミング
ExpoのLocationで位置情報を取得する【これからはじめるReact Native】
目次
はじめに
アプリ開発において、位置情報を扱うケースは多くあります。
現在地から近いお店情報の取得、現在地から近い人とマッチングなど、様々な使い方がアプリ上でされています。
今回は、React NativeでexpoのLocationを使用し位置情報を取得する方法をご紹介します。
Locationの使い方
React Native公式のGeolocationを今回は使わず、Expo用のLocationを使用します。
では、いつものようにsnack expoでプロジェクトを作っていきます。
今回開発するのはこちらのイメージです。
今回のコードはこちらです。
※端末の位置情報を使用する為、シミュレータではなくデバイスでないと正しく位置情報が取得できません。
またExpoのアップデートでiOSの場合にはQRコード経由ではなくなったのでご注意ください。
コードの解説
import { Location, Permissions } from "expo";
まず必要なコンポーネントをロードしています。
Permissions
というのはユーザーの権限周りの管理をしています。
今回は「位置情報の使用を許可するか」という確認をユーザーに行い、許可が取れたら位置情報を取得し使用する、という流れの為に使用しています。
state = {
locationResult: null
};
stateのlocationResult
にnullを入れて初期化しています。
componentDidMount() {
this._getLocationAsync();
}
componentDidMount
つまりコンポーネントがマウントされた後に_getLocationAsync
イベントを実行しています。
_getLocationAsync = async () => {
let { status } = await Permissions.askAsync(Permissions.LOCATION);
if (status !== 'granted') {
this.setState({
locationResult: 'Permission to access location was denied',
});
}
let location = await Location.getCurrentPositionAsync({});
console.log(JSON.stringify(location));
this.setState({ locationResult: JSON.stringify(location) });
};
長いので分けて解説していきます。
async ()
こちらはいわゆるasync/await構文
です。
async/await構文とは
MDN(Mozilla Developer Network)の解説によるとこうあります。
async 関数が呼び出された場合、 Promise を返します。async 関数が値を返した場合、promise は返された値で解決されます。async 関数が例外や何らかの値をスローした場合、 Promise はスローされた値で拒否されます。
async 関数は、 await 式を含むことができます。 await 式は、async 関数の実行を一時停止し、 Promise の解決を待ちます。そして async 関数の実行を再開し、解決された値を返します。
ちょっとこれだと難しいかもしれませんね。
Promiseとは、わかりやすく言えば「現時点ではわからなくても良い(あとで結果がわかる)値を使うこと」です。
async関数では、await式を持つことができます。このawait式はPromiseの解決を待つことができます。
なぜこんなまどろっこしいことをするかというと、API経由で値を取得する場合など「処理に時間がかかるが値をすぐ使いたい」ときに「一旦処理の結果が返ってくるのを待って!」とストップをかけることができるからです。
今回のケースでいうと、
let { status } = await Permissions.askAsync(Permissions.LOCATION);
こちらはstatusにPermissionsの位置情報を確認した値を代入しています。
「位置情報を取得しても良いですか?」というアラートの結果は、ユーザーの選択を待たなければならずすぐ返ってくるわけではありません。
その状態で次の行の
if (status !== 'granted') {
に進むわけにはいかず、awaitでPromiseの結果を確実に待ってから処理するというわけです。
if (status !== 'granted') {
this.setState({
locationResult: 'Permission to access location was denied',
});
}
こちらでは確実に取得したユーザーの位置情報取得に関する確認の結果を持って、拒否された場合にlocationResultにアクセス拒否された旨を伝えています。
let location = await Location.getCurrentPositionAsync({});
getCurrentPositionAsync
で位置情報を取得し、location
に代入しています。
POINT!!
getCurrentPositionAsyncは現在位置を一回だけ取得するメソッドです。 他にも随時(時間や距離のインターバルは設定可能)取得するwatchPositionAsyncといったメソッドもあります。watchPositionAsyncではアプリ起動時の位置情報取得となりますが、アプリ非起動時(バックグラウンド)でも位置情報を取得することを検討中とのことです。詳しくは公式リファレンスをご覧ください。
this.setState({ locationResult: JSON.stringify(location) });
こちらはstate
のlocationResult
に、先程取得した位置情報のJSONデータであるlocation
を文字列にして渡しています。
<Text>
{this.state.locationResult}
</Text>
そして最後、locationResult
をレンダリングすることで、位置情報が画面上で出てくるというわけです。
まとめ
今回はExpoのLocationをご紹介しました。
以前も解説した通り、ExpoではNative系の機能がそのまま使えない代わりに、ExpoがこのLocationのように代替のAPIを用意してくれています。
またAPIの返り値などでasync/await構文を使う方法も学習しました。
これはかなり多く使われるので理解するようにしてください。
次回からはExpoを使用し、実際にクイズアプリを作りながら解説していきます。
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