2018年6月4日
プログラミング
Reactでスマートスピーカーのコマンド発音サービスを作ろう(6)【作りながら覚えるReact】
はじめに
スマートスピーカーの発音サービスを作りながらReactを学んでいくシリーズ、第6弾です。
前回、UIをリッチにして切り替えボタン(ラジオボタン)によるAlexa、Google Home切り替え部分を実装しました。
今回はフリーワード発音機能を実装していきます。
フリーワード発音を実装する
前回、UI変更に伴いこのようなファイル構成にしていきましたね。
今回、このようなフリーワードの入力エリア、また発音ボタンを実装していきます。
入力フォームの実装
通常のHTMLでのテキストフォームはこのような形で実装します。
<input type="text" name="name">
そして通常のJavaScriptの場合、この入力フォームに入力された値を取得し、送信ボタンが押されたらその値を送信するという流れになります。
ですが、Reactの場合には入力フォームを監視し、文字入力(値変更)がある毎にStateを更新しフォームをレンダリングし、送信ボタンが押されたらStateの値を送信するとなります。
ちょっとわかりづらいかもしれないので、実際のこのフォーム部分のコードを見ていきましょう。
constructor
初期化処理を行います。
constructor(props) {
super(props);
this.state = {
text_value: "",
speaker_type: "alexa",
};
this._changeText = this._changeText.bind(this);
this._toggleButton = this._toggleButton.bind(this);
}
前回の記事でspeaker_typeを設定しましたが、今回はtext_valueを設定します。
これはフォームの入力内容に関するStateです。
また、this._changeText = this._changeText.bind(this);
も前回の記事にあったように、thisをbindしておきます。
次にフォームの変更イベントを見ていきます。
_changeText(e) {
this.setState({text_value: e.target.value});
}
先程の説明ですと 文字入力(値変更)がある毎にStateを更新しフォームをレンダリングし
にあたる部分です。
e.target.value
は後ほど見ていく入力フォームの値が入ってきます。
Stateのtext_value
に入力フォームの値を設定していますね。
次に入力フォーム部分を見ていきます。
<div id="form1">
<input
type="text"
id="sbox"
defaultValue={this.state.text_value}
onChange={this._changeText}
placeholder="キーワードを入力"
/>
</div>
defaultValue
にthis.state.text_value
を設定しています。
こちらはその名の通り、デフォルト値を設定するオプションです。
constructor内で””、つまり空文字を設定していました。
次にonChangeの部分を見ていきます。
onChange={this._changeText}
ここはonChange、つまりフォーム入力内容の変更があった場合にイベントが発動します。
先程の_changeText
が呼び出されます。
つまり、ここの入力フォームについてはこのような流れとなります。
- constructor内でStateの
text_value
を初期化 - 入力フォームをレンダリング、デフォルト値に1のtext_valueの値を使用
- 入力フォームに変更がある(文字入力や削除)があるたびに
onChange
イベントが発動 onChange
内で入力フォームの値(入力値)を取得しStateのtext_value
を更新- 入力フォームを再レンダリング
発音ボタンの実装
では、発音ボタンを実装していきます。
先にJSX部分を見ていきます。
<button id="sbtn" value="" onClick={() => this._onClick()}>
<i className="fas fa-microphone fa-2x"></i>
</button>
onClick={() => this._onClick()}
こちらは何回か今までみた形ですね。アロー関数でthisをbindしています。
では、呼び出される_onClick() を見ていきます。
ここで実現したい仕様はスピーカーの種類を見てコマンド発音前の呼びかけコマンドを実行し、そちらと入力フォームのテキストと合わせ発音するというものです。
Googleが選択され、入力フォームに「音楽かけて」と入力されている状態でボタンが押されると「OK Google、音楽かけて」と発音してくれるイメージです。
_onClick() {
let ssu = new SpeechSynthesisUtterance();
let pre_commands = '';
switch (this.state.speaker_type) {
case 'alexa': {
pre_commands = Alexa.pre_commands;
break;
}
case 'google': {
pre_commands = Google.pre_commands;
break;
}
default:
break;
}
ssu.text = pre_commands + this.state.text_value;
ssu.lang = 'ja-JP';
speechSynthesis.speak(ssu);
}
SpeechSynthesisUtterance
の使い方はこちらの記事でも解説しましたね。
前回の記事で設定したthis.state.speaker_type
を使用しswitch文で場合分けしています。
alexaの場合には、constのalexa.js内のデータから呼びかけコマンド(pre_commands)をpre_commandsに代入しています。
そして、発音するテキストには呼びかけコマンドのpre_commands
と入力フォームのテキストであるthis.state.text_value
と合わせ、その内容を発音しています。
今回のコード
では、通しで一旦コードを確認してみます。
header.js
import React, { Component } from 'react';
import {Alexa} from '../const/alexa';
import {Google} from '../const/google';
export default class Header extends Component {
constructor(props) {
super(props);
this.state = {
text_value: "",
speaker_type: "alexa",
};
this._changeText = this._changeText.bind(this);
this._toggleButton = this._toggleButton.bind(this);
}
_onClick() {
let ssu = new SpeechSynthesisUtterance();
let pre_commands = '';
switch (this.state.speaker_type) {
case 'alexa': {
pre_commands = Alexa.pre_commands;
break;
}
case 'google': {
pre_commands = Google.pre_commands;
break;
}
default:
break;
}
ssu.text = pre_commands + this.state.text_value;
ssu.lang = 'ja-JP';
speechSynthesis.speak(ssu);
}
_changeText(e) {
this.setState({text_value: e.target.value});
}
_toggleButton(e) {
this.setState({speaker_type: e.target.value});
}
render() {
return (
<div className="jumbotron mv">
<header className="mv_ttl">
<h2>Smart Speaker's Commands Speaker (SSCS)</h2>
<p>スマートスピーカーのコマンドを日本語で発音して代行してくれるサイトです。コマンドをクリックすると発音されます。<br/>
コマンドの追加は<a href="https://github.com/eishis/smart-speakers-commands-speaker" target="_blank" rel="noopener noreferrer">こちらから</a>お願いします。
</p>
<div>
<div className="radio_button">
<input
type="radio"
value="alexa"
name="s2"
id="alexa"
checked={this.state.speaker_type === "alexa"}
onChange={this._toggleButton}
/>
<label htmlFor="alexa" className="switch-alexa">Alexa</label>
<input
type="radio"
value="google"
name="s2"
id="google"
checked={this.state.speaker_type === "google"}
onChange={this._toggleButton}
/>
<label htmlFor="google" className="switch-google">Google Home</label>
</div>
<div id="form1">
<input
type="text"
id="sbox"
defaultValue={this.state.text_value}
onChange={this._changeText}
placeholder="キーワードを入力"
/>
<button id="sbtn" value="" onClick={() => this._onClick()}>
<i className="fas fa-microphone fa-2x"></i>
</button>
</div>
</div>
</header>
</div>
)
}
}
まとめ
今回はReactにおける入力フォームの使い方、またそちらの値を送信する処理をご紹介しました。
次はスピーカーの種類を選択し、コマンドのカード部分を発音させる処理を実装していきます。
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