2020年12月20日

屋内でのxRを活用したイベントの事例

目次

  1. はじめに
  2. xRってそもそもなに?
  3. 屋内でのxR系イベントの事例
  4. 屋内でのxR系イベントを導入するメリットと課題
  5. WebARの活用事例 新江ノ島水族館様
  6. まとめ

新しい技術にチャレンジし続けるpalanのアドベントカレンダーDay20です!

昨日は「Blenderで作ったモデルをARKitで見る方法」という記事でした!

Blenderで作ったモデルをARKitで見る方法

はじめに

2020年もあと10日ほどで終わりですね。
毎年恒例の今年の漢字は「密」でした。決してポジティブな意味での選ばれ方ではないと思いますが、正に2020年という年を象徴した文字ですね。

これまではテーマパークや商業施設、ライブやスポーツ等のイベントについては「人が集める」ということが常識でした。しかし新型コロナウイルスの感染症対策が必須となった今、人を集めるということ自体が難しくなりました。
感染症対策と経済活動の両立という難題=ニューノーマルという言葉が生まれ、私たちの生活も一変しました。

今回はテーマパークや商業施設などの屋内で導入・実施されているxR系イベント事例のご紹介に加え、新江ノ島水族館様に導入いただいたWebARイベント事例が導入に至った経緯や見えてきたこと等をご紹介したいと思います。

xRってそもそもなに?

最近VRやARという言葉が使われたサービスやイベントが多く世の中に出てくるようになりましたが、xRはVRやARという言葉を総称したものです。
そもそもARとかVRとかって何だっけ?という事も多く聞かれるのでここで一旦それぞれの違いについて説明します。

VRってなんだろう?

VR=Virtual Realityの略です。仮想現実と略されることが多いです。
CG等を用いて作られた三次元空間をヘッドマウントディスプレイ等を装着して体験することが多いです。仮想現実なので見える情報は全て作られたもので仮想の世界を体験できるのが特徴です。
最近ではゲームセンターやテーマパークのアトラクションや、PSVR等の家庭用ゲーム機にも活用されています。

ARってなんだろう?

AR=Augmented Realityの略で、日本語では拡張現実とよく言われます。
現実世界に情報を重ねることで何もないところに物体を表示したり、既にある物体に情報を加えたりすることができるのが特徴です。
IKEAの家具を試し置きできるアプリや、Pokémon GOといったゲームの中でもARが活用されています。

MRという言葉もあります

MR=Mixed Realityの略で、複合現実と言われます。
MRはARやVRなどを文字通り複合させたもので、仮想現実の情報を現実に組み合わせて表示させることで仮想現実の中の物体に触れることができたり、没入感が非常に高い体験をすることができるものです。

xRとは?

xRとはこのようなVR、AR、MRといったものの総称です。
今回はこのxRを活用した屋内でのイベント事例についてご紹介していきます。

屋内でのxR系イベントの事例

xRを活用したイベントのメリットは、場所の制約が少なく特定の場所に集まる必要がないことです。そのため「密」を避けることもでき新しい体験を楽しめるため様々な施設で導入事例が増えています。

事例1) リアル謎解き×XR体験「code name:WIZARD Episode 1」

東京タワーで行われている謎解きとxR体験を合わせたイベントです。
ウェアラブルヘッドセット「Magic Leap 1」を装着しプレーヤーが魔法使いになって東京タワーの中にある謎を解いていくというイベント。
リアルな脱出ゲームのように密室に籠ることなく、他のプレーヤーと一緒に遊ぶ必要がなく「Magic Leap 1」の画面内で物語が進行するので密集せず楽しめるコンテンツになっています。
https://xr.docomo.ne.jp/experience/event10/

  東京タワーに突如現れた「魔法図書館」... そこは近世ヨーロッパ的な機械仕掛け(スチームパンク)の世界。
妖精を召喚できるという「妖精の魔導書」を手に、様々な場所に隠された「謎のメモ」をヒントに「召喚の呪文」を解き明かそう。クリアすると、妖精の魔法エネルギーを可視化するゴーグル「マジック・サーチャー」を装着して、いざ「魔法の修練」へ。
さあ、あなたも魔法使いになるべく、東京タワーに隠された謎を解読しよう!
事例2) 国宝『聖徳太子絵伝』 ARでたどる聖徳太子の生涯

https://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php

2020年9月29日から2020年10月25日まで東京国立博物館で実施されていたイベントです。現実の作品や国宝にデジタル情報を重ね合わせて表示できるARグラスをかけて、これまでは解説の文字やイヤホンガイドでしか得られなかった情報に加え視覚的に情報を重ねることで今までにない博物館体験をすることが可能になっています。

  日本で最も長い歴史を持つ博物館が最先端通信技術の5GやAR(拡張現実)と出会う時、文化財の鑑賞体験はどう変わるのか? その可能性を探る最初のプロジェクトが、「5G で文化財 国宝『聖徳太子絵伝』 AR でたどる聖徳太子の生涯」。
国宝『聖徳太子絵伝』には、「36 人の子どもの話を記憶する」「憲法十七条をつくる」などの太子にまつわる58 の事蹟(エピソード)が描かれています。

WebARの活用事例 新江ノ島水族館様

palanでは2020年9月から継続的に神奈川県にある新江ノ島水族館様の館内のxR施策を制作させていただいており、ニューノーマル時代の水族館内のイベントとして多くの来場者の皆様にご利用いただいています。
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導入に至った経緯

2020年5月に政府の全国の緊急事態宣言解除を受け、これまで通りのイベントやプロモーションは難しい世の中になると考えていました。

そこでこれまでpalanが多く制作していたWebARの仕組みを活用し、ニューノーマル時代のイベントやプロモーションに活用いただける事はないか?を考え、2020年6月にWebARによるスタンプラリーをリリースしました。

これまで多くの観光地やイベントで回遊性向上を目的として実施されているスタンプラリーはルールも単純で、収集欲や達成感を満たすことができる楽しいイベントです。

しかし、スタンプラリーで使うスタンプ台やスタンプは不特定多数の参加者の手に触れることになり、かつスタンプ台という特定の場所に人が集中するため新型コロナウイルス感染症を考慮すると実施したくてもできないという状況にありました。

そこでひとり1台持っていることが当たり前のスマホとQRコードを活用し「非接触」でスタンプがたまっていき、スタンプラリーを達成するとWebARによるデジタルギフト=フォトフレームが利用できるようになるスタンプラリープロダクトを開発しました。

ほどなくして新江ノ島水族館のイベント担当の方からご連絡をいただきました。
「コロナ禍において非接触で実施可能なアイデアを探している」
「アプリのダウンロードはユーザーにとってハードルが高く専用のアプリを利用せず実施したい」
「景品の受け渡し等にスタッフと参加者の直接的なやりとりを極力減らしたい」
というものでした。

新江ノ島水族館様にとってはxRを活用したいイベントを実施したい、というニーズはそもそもお持ちではなかったのですが「非接触」「アプリレス」というキーワードから結果的にWebARを活用したイベントを実施いただくに至ったということになります。

導入いただいた後に見えてきたこと

導入いただいた結果、xRコンテンツによる価値提供に加えて施設特有の課題を解決するに至ったこともありました。

デジタルの特性を活かし曜日毎、日毎に利用者数をデータ提供し先々のイベント実施に向けてデータ活用いただくことができたSNSとの相性が良く多くの参加者に情報拡散いただくことができ、イベント自体の認知向上にもつながったスマホやブラウザに対する認識、知識は無い方が圧倒的に多くtoo muchだと思うくらいの使い方説明や表示をした方が親切だということが分かった

新江ノ島水族館の来場者はカップルから小さなお子様連れのファミリーまで幅広い方々がいらっしゃいます。
専用のデバイスを活用することなく、来場者自身のスマホデバイスを活用いただくことでイベント参加へのハードルを下げ「密」を避けながらイベントを楽しんでいただく価値をWebARを通じてご提供できたと感じています。
これからもテーマパークや商業施設など様々な場面でxRを活用したイベントを多くご提供しユーザー、主催者双方にデジタルならではの価値をご提供していければと考えています。

実施いただいたWebARコンテンツのその他事例

スタンプラリーを導入いただいた後、七五三シーズンには水族館の人気の動物たちと一緒に写真を撮れるWebARを活用したフォトフレームも導入いただきました。
こちらもシンプルなものですが、シンプルが故に多くのお客様に利用いただけるxRコンテンツとなっています。
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屋内でのxR系イベントのメリットと課題

メリット

  • xRデバイスやコンテンツを活用することでこれまでにない新しい体験を提供することができる
  • 「密」を避けたイベントを様々な状況で実施することが可能
  • 実際に利用された情報等のログを活用しイベントの改善等に繋げることが可能になる

課題

  • xRを体験するためのウェアラブルヘッドセットがとても高額
  • コンテンツの開発、制作がコストフルである
  • 専用デバイスを使う事がユーザーの参加に対する心理的障壁を生んでしまう

このようにxRをイベントに導入する際にはターゲットの属性やイベントの目的に応じて、どのようなものが適切か?を考えたうえで導入・活用いただくのが良いかと思います。

まとめ

オンライン飲み会やオンラインミーティング等様々なことがオンライン化された2020年でしたが、やはりリアルのイベントや商業施設でのお買い物はやはり楽しいものです。
これからもxR技術を活用した新た強いイベントはどんどん増えてくると思いますので非常に楽しみです!

Bageleeの運営会社、palanではxRを活用したイベントのご提案も行っておりますので新しいイベントの在り方をご検討中の方がいらっしゃいましたらぜひ参考にしていただければと思います。

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